パイロット・スタディ・プログラム

「フィリピンにおけるウシ白血病ウイルス検出系の評価およびウシ白血病ウイルスを媒介する吸血昆虫対策としてのウシをシマウマ模様に塗ることによる影響の評価」

R6 2-4 (令和6年度 AY2024)

研究代表者野澤 智晴  (京都大学大学院 農学研究科 応用生物科学専 / 修士課程)
研究課題フィリピンにおけるウシ白血病ウイルス検出系の評価およびウシ白血病ウイルスを媒介する吸血昆虫対策としてのウシをシマウマ模様に塗ることによる影響の評価
研究対象国フィリピン

研究概要

吸血昆虫が媒介するウシ白血病ウイルス(BLV)はウシ白血病を引き起こす。有効なワクチンや治療法がなく発症すると死に至る病気であるため、畜産業や食肉業へ経済的損失をもたらしている。フィリピンにおいてもBLVの流行実態解明や対策が求められているが、現地の検査機器や試薬等の不足からBLVの蔓延状況は明らかになっていない。本研究はフィリピンのウシにおけるBLVの分子生物学検出を行って感染状況についての評価を行う。

研究目的・意義・期待される効果など

フィリピンを含む東南アジア地域において、様々な動物感染症は畜産業や食肉業に甚大な被害を及ぼしており、中でもウシ白血病ウイルス(BLV)が引き起こすウシ白血病は有効なワクチンや治療法がない。また、発症したウシは全て廃棄され食用に用いることができないため経済的な損失が大きい。しかし、フィリピンにおいては検査機器や試薬等の不足からBLVの感染状況は不明である。以上の理由からBLVの検出によって感染状況の調査やBLVの感染対策の必要性を強く感じ、本研究の着想を得た。本研究の目的は、フィリピンのウシにおけるBLVの検出の検討および感染状況の調査を行うことである。本研究によって、フィリピンのウシに感染しているBLVを検出可否や感染状況を明らかにすることができ、本研究の成果として、フィリピンの農場で飼養されるウシにおけるBLV検出の可否、BLV感染状況の調査から、フィリピンのウシ白血病による経済的損失減少への寄与が期待される。