インキュベーション・プログラム

「地域研究に根ざしたアジア外交研究の創成」

R5-6 1-5 (令和5年度 AY2023 新規)

研究代表者川島 真 (東京大学・大学院総合文化研究科 / 教授)
共同研究者相澤 伸広 (九州大学・比較社会文化研究院 / 准教授)
青木 まき (アジア経済研究所 / 研究員・グループ長代理)
鈴木 絢女 (同志社大学法学部 / 教授)
高木 佑輔 (政策大学院大学 / 准教授)
高橋 知子 (京都大学・東南アジア地域研究研究所 / 機関研究員)
中溝 和弥 (京都大学大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科 (ASAFAS) / 教授)
三重野 文晴 (京都大学・東南アジア地域研究研究所 / 教授)
研究課題地域研究に根ざしたアジア外交研究の創成
研究対象国中国, 台湾, フィリピン, マレーシア, タイ, インド, ミャンマー, インドネシア

研究概要

本研究は、開発途上国の対外政策研究を、地域研究の視点を踏まえて行うことを視野に、そのための方法論、課題などについて、個々の共同研究者の東アジア、東南アジア、南アジアに関する事例研究を踏まえて考察する。従来、国際政治研究では新興国を含む開発途上国の対外政策研究は手薄であり、地域研究では対外政策が重要視されてこなかった。だが、世界情勢が大きく変化しこうした研究の必要性は一層高まっているのではないかと考える。

研究目的・意義・期待される効果など

【目的】⑴ 本研究は、アジア地域研究に「外交」「対外政策」という領域を築くこと、また国際政治や研究や国際関係研究に「アジア」をはじめとする地域の開発途上国、新興国の地域研究の要素を結びつけることを目指す。⑵東南アジア、東アジア、南アジアを中心に個々の共同研究者が事例研究を蓄積しつつ、方法論的な可能性、課題について考察、議論を深める。⑶この研究の成果を内外の学界で公表するとともに、今後の共同研究申請への基礎とすることを目指す。

【意義】⑴「地域研究に根ざしたアジア外交研究」という新たな研究分野を創成すること。⑵ アジアの新興国や開発途上国の外交研究、対外政策研究を、アジア諸国に内在する論理を重視しながら行い、大国の論理に基づいた説明を相対化すること。⑶新興国や開発途上国の対外政策が注目されている現在、本共同研究は社会の要請に対応しているものでもあり、同時に米中、または大国中心なアジア外交の現状分析に対して、地域研究の意義を主張することができること。

【期待される効果】 ⑴GRIPSの共同研究「新時代アジア研究会」と連動し、同研究会のプロジェクトで公刊予定の論文集に、本研究の成果を共著論文として寄稿する予定である。⑵本研究では、事例研究を蓄積し、今後内外の学会で報告したり、論文集として公刊したりすることも視野に入れる。そうすることで、こうした方法論をめぐる議論を深めていくことが可能となろう。