インキュベーション・プログラム

「東南アジア現代アートの実践に関する考察: 上演芸術を中心とした予備的調査」

R5-6 1-1 (令和5年度 AY2023 新規)

研究代表者福岡 まどか (大阪大学大学院人間科学研究科 / 教授)
共同研究者竹下 愛 (東京外国語大学言語文化学科 / 非常勤講師)
羽谷 沙織 (立命館大学国際教育推進機構 / 准教授)
山本 博之 (京都大学東南アジア地域研究研究所 / 准教授)
研究課題東南アジア現代アートの実践に関する考察: 上演芸術を中心とした予備的調査
研究対象国インドネシア, マレーシア, カンボジア, フィリピン, 日本

研究概要

この研究では、上演芸術を中心に、東南アジアの現代アート実践の現状を検討する。基本的にジャンルの境界を規定しないが、主にダンス、演劇、文学、映画などを含む分野に焦点を当てる。アーティストたちとの対話やインタビュー、共同創作、創作委嘱などを行うことによって、彼らが現代世界におけるさまざまな課題といかに対峙し、活動しているのか、ということを探究することを目指す。

研究目的・意義・期待される効果など

この研究では、上演芸術を中心に東南アジアの現代アート実践の現状を考察することを目指す。現代世界で活躍する東南アジアのアーティストたちが行う活動に焦点を当て、以下の点を考察する。

歴史・記憶の共有、伝統文化との対峙、アイデンティティの探究、などを目指す創作活動の現場を調査する。事例を通して、社会的分断の歴史、ジェンダー格差、伝統規範との葛藤、身体表象と宗教的価値観との関連、災害復興と地域活性化、移民社会の文化、などのグローバルな諸課題に対して現代アートの実践が影響を与える可能性について具体的な視座を提示できるのではないかと考える。

研究成果を論文や書籍などの文字テクストのみならず作品上演を通しても提示し、さまざまな人々と広く共有するかたちについても新たな展望を示せるのではないかと考える。

さらに将来的には以下の点について考察することも目指す。 

①現代アート実践の検討を通して、東南アジアとは文化的にどのような地域なのかという課題を考える。
②アート活動が社会に与え得る影響について考える。
③主にビジュアルアートの分野で注目されてきた現代アートの研究にパフォーマンスの研究がいかなる貢献ができるのかを考える。
④現代アートの研究と東南アジアの歴史、政治、社会状況との関わりを考える。
⑤現代アートの研究とグローバリゼーションとの関わりを考える。

2019 performance in Denpasar
animal pop 201711