インキュベーション・プログラム

「東南アジア現代アートの実践に関する考察: 上演芸術を中心とした予備的調査」

R5-6 1-1 (令和6年度 AY2024 継続)

研究代表者福岡 まどか (大阪大学大学院人間科学研究科 / 教授)
共同研究者竹下 愛 (東京外国語大学言語文化学科 / 非常勤講師)
羽谷 沙織 (立命館大学国際教育推進機構 / 准教授)
山本 博之 (京都大学東南アジア地域研究研究所 / 准教授)
研究課題東南アジア現代アートの実践に関する考察: 上演芸術を中心とした予備的調査
研究対象国インドネシア, マレーシア, カンボジア, 日本

研究概要

この研究では、主に演劇、ダンスなどの上演芸術を中心に、東南アジアの現代アート実践のの現状を検討する。文献調査、対話とインタビュー、協働創作(創作委嘱)などを行うことによって、現代東南アジアのアートに関わる実践家たちが現代世界における多様な課題と対峙し活動している現状を探究することを目指す。2年目となる今年度は、創作の上演とともに、調査成果をディスカッションペーパー(英語版)としてまとめることを目指す。

研究目的・意義・期待される効果など

この研究では、現代世界に向き合う東南アジアのアーティストたちが行う活動に焦点を当て、歴史・記憶の共有、伝統文化との対峙、アイデンティティの探究などを目指す創作の現場について調査を行う。事例を通して、宗教的パフォーマンスの世俗化と観光資源化、移民社会における集合的な身体の記憶の共有、メディア転換期における価値観の変容、伝統的規範との葛藤、などのグローバルな諸課題に対して現代アートの実践が影響を与える可能性について具体的な視座を提示することができると考える。これらの事例研究に基づきディスカッションペーパーの出版を英語で行うことを通して、現在活動中のアーティスト、アートの実践に関わる人々とも情報や成果の共有が可能になると考える。また、研究成果を作品上演を通しても提示し、社会の多くの人々と共有する方法についても新たな展望を示すことができると考える。

  将来的には、以下の点についての考察を目指す研究プロジェクトに発展させていくことができると考える。①現代アートの検討を通して文化的地域としての東南アジアを考える。②社会と関わるアート活動について考える。③ビジュアルアートとパフォーマンスの関連を考える。④現代アートと東南アジアの歴史・政治・社会との関連を考える。⑤現代アートとグローバリゼーションとの関わりを考える。

インドネシア・バリ島の芸術大学におけるコンテンポラリーダンスのワークショップの様子
インドネシア・バリ島の芸術大学におけるコンテンポラリーダンスのワークショップの様子
インドネシア・ジャワ島における宮廷芸術祭の様子
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