パイロット・スタディ・プログラム
「都市におけるタイヤイの社会空間: バンコクにおけるタイヤイの若者の社会空間形成に着目して」
R6 2-1 (令和6年度 AY2024)
研究代表者 | 朴 苑善 (大阪大学大学院原稿文化研究科 / 博士課程) |
研究課題 | 都市におけるタイヤイの社会空間: バンコクにおけるタイヤイの若者の社会空間形成に着目して |
研究対象国 | タイ |
研究概要
本研究対象は、ミャンマー・シャン州からタイ国に移動したタイヤイ(シャン)と呼ばれる民族グループである。本研究は、タイ国の首都バンコクにおけるタイヤイの若者が都市の中で形成する社会空間とはいかなるものであるかについて解明し、移民の若者は都市をどのように生きるかについて明らかにすることを目的としている。研究方法としては主にフィールド調査を用い、バンコク都内でタイヤイが集う複数の場において参与観察とインタビュー調査を行う。
研究目的・意義・期待される効果など
本研究の目的は、タイ国の首都バンコクにおけるタイヤイの若者が都市の中で形成する社会空間とは如何なるものであるかについて解明し、移民の若者の都市の生き方について明らかにすることである。申請者はこれまでの研究で、タイ国北部チェンマイ県の都市部に暮らすタイヤイの若者に着目し、彼らの社会空間はエスニシティを認識する場としてあるだけでなく、同士の「差異」を認識する場としても機能していることを明らかにした。しかし、移民にとってのマクロな都市社会を描くには、タイヤイの若者という題材でチェンマイという都市を解明するだけは不十分であり、タイ国内で最も流動的な都市である首都バンコクや、彼らの移民元であるミャンマー国内の都市を接合させることで総合的な考察が可能であると着想した。本研究はその端緒としてタイ国の首都バンコクに着目したものである。流動性の高い若者が今後の社会を担う存在であることを踏まえると、彼らが国家の中心都市へ向かう動向について は正確に把握する必要がある。本研究は、タイ国の中心都市に暮らすタイヤイの若者の視点から都市社会を捉え直すという点で、タイ国の地域研究の多角化に寄与する。